自社ECはShopify・BASE・STORESどれが最適?5つの観点で徹底比較

2026年06月27日

「無料だからBASE」で始めて、伸びてから後悔する人は少なくありません。料金だけでなく、入金スピード・デザイン自由度・拡張性まで、5つの観点で本気で比べます。

※この記事の料金・手数料は2026年6月時点の情報です。
各社の最新の料金は公式サイトでご確認ください。

「自社ECを始めよう」と思ったとき、最初にぶつかる壁。それが「Shopify・BASE・STORES、結局どれを選べばいいの?」という問題です。

ネットで調べても、どのサイトも「うちが一番おすすめ!」と書いてあって、正直よくわからないですよね。

そこでこの記事では、自社ECの3つのカートのどれを選ぶのが最適かを、料金だけでなく、運用するうえで確認したい5つの観点から比べていきます。読み終わるころには、自分のブランドが今どれを選ぶべきかが見えているはずです。

(なお「そもそも自分の商品はモールと自社EC、どちらが向いているか」については、別の記事で解説しています。まだ迷っている方はそちらもどうぞ。)

その前に:なぜ「最初の選択」が重要なのか

解説に入る前に、知っておいてほしいことがあります。それは「あとからECカートを乗り換えるのは、想像以上に大変」だということです。

「とりあえず手軽なやつで始めて、伸びたら後で乗り換えればいい」——すごく多い考え方ですが、いざ乗り換えようとすると、こういうコストが一気にのしかかってきます。

  • デザインの作り直し:今のお店をゼロから別システムで組み直すことになる
  • 顧客データの移行:会員情報や購入履歴を移すのは大変で、最悪リピーターが離れる
  • SEO評価のリセット:URLが変わり、積み上げた検索順位がリセットされるリスク
  • 運用の再教育:管理画面が変わるので、スタッフが操作を覚え直す手間

実際、移行作業だけで数十万〜数百万円かかることも珍しくありません。これらは、最初から合うものを選んでいれば払わずに済んだコストです。

だからこそ、「今いちばん手軽か」ではなく、「伸びたあとも使い続けられるか」で選ぶことが、結局いちばんの節約になります。この「乗り換えコストがある」という前提を頭の片隅に置きながら、5つの観点を見てください。

今回の5つの判断軸はこちらです。

  1. 料金と手数料(いちばん気になるお金の話)
  2. 入金スピードと資金繰り(地味だけど超重要)
  3. デザインの自由度(ブランドの世界観を作れるか)
  4. 拡張性と将来性(伸びたとき・海外・サブスクに耐えられるか)
  5. 実店舗との連携と運用のしやすさ(お店をやっている人向け)

結論から言うと、どれか一つがすべての観点でベスト、ということはありません。それぞれにメリット・デメリットがあります。大事なのは「自分にとって、どの観点がいちばん重要か」です。

そして大前提として、この3つは同じ「ネットショップ作成サービス」ですが、設計思想がまるで違う別物です。一つずつ見ていきます。

観点①:料金と手数料 ―「無料」の落とし穴

まずはお金の話。ここがいちばん誤解されています。

「BASEは無料、Shopifyは月額費用がかかる。だからBASEが安い」とよく言われますが、商品が売れるたびに発生する販売手数料まで含めると、実態は違います。

  • BASEスタンダード:決済3.6%+40円 + サービス利用料3%で、合計およそ6.6%+40円
  • STORES:フリープラン5.5% / スタンダードプラン3.6%
  • Shopify(Basic・Shopifyペイメント):国内カード3.55%、取引手数料0%

Shopifyの月額固定費は、いちばん使われるBasicプランで、年払いなら月4,365円、月払いなら月4,850円。「月4,000円ちょっとか」と思うかもしれませんが、計算すると印象が変わります。

月額固定費+手数料+振込手数料を全部足した「実質の月コスト」で見ると、目安はこうなります。

  • 月商10万円くらい:固定費0円のBASE・STORESフリーが有利
  • 月商20万円前後:固定費を払っても手数料の安い側がトータルで安くなり始める
  • 月商50万〜100万円:Shopifyや有料プランが明確に逆転。手数料差がそのまま利益差に

たとえば月商100万円のブランドが「無料の響き」でBASEを使い続けると、手数料だけで年間40万円前後よけいに払っている計算になることもあります。

結論をシンプルに言うと、月商20万円くらいまではBASE(やSTORES)が安く、20万円を超えて伸ばしていくならShopifyが安くなる、というのが目安です。どちらが上というより、売上ステージで最適が変わる、というのが正確なところです。

観点②:入金スピードと資金繰り

次は、売上が「いつ・いくらの手数料で」手元に入るか。地味ですが、仕入れがあるブランドには死活問題です。

  • Shopify:Shopifyペイメントなら振込手数料0円、毎週金曜の自動入金
  • BASE:振込ごとに250円+(2万円未満なら)事務手数料500円。ただし申請から短時間で入る「最速振込」も登場
  • STORES:基本は月末締め・翌月末払い。早めたいときは「スピードキャッシュ」で翌営業日入金(手数料1.5%〜/利用には条件・審査あり)

たとえば月10回振り込むと、振込手数料だけで年間数千円〜1万円近い差が固定で出続けます。さらにSTORESの「翌月末払い」は、最大で2ヶ月近く売上が入金されないということ。仕入れの回転が速いブランドには辛いところです。

「いくら稼ぐか」と同じくらい、「どれだけ早く再投資に回せるか」が成長スピードを決めます。この資金繰りの観点では、振込0円・毎週入金のShopifyが有利です。とはいえ各社それぞれ入金を早める手段は用意されているので、自分の仕入れペースに合うかで見るのがいいと思います。

観点③:デザインの自由度 ―ブランドの世界観を作れるか

ここからはお金以外の話。私がいちばん大事だと思っている観点です。

前提として、3社ともテンプレートは充実していて、ゼロから組む必要はありません。差があるのは「テンプレートを使わずにどこまでできるか」、つまり自由度のところです。

  • STORES:テンプレートから選ぶのみで、コードの編集はできない
  • BASE:テンプレートを選んだうえで、HTML・CSS・JavaScriptまで編集できる。アニメーションや独自レイアウトも作れて、表現度はかなり高い
  • Shopify:テンプレート+HTML・CSS・JavaScript編集に加え、「Liquid」という専用言語と、13,000を超えるアプリ・外部連携まで使える

まず大きな線引きは、STORESと、BASE・Shopifyの間にあります。STORESは「テンプレートの枠の中できれいに整える」スタイル。手軽な反面、表現の自由度には限界があります。一方、BASEとShopifyはJavaScriptまで編集できるので、見た目の表現度はどちらも高い。

ではBASEとShopifyの違いはどこか。「機能」の自由度です。BASEの編集はあくまで見た目(フロント側)の作り込みが中心。対してShopifyは、Liquidやメタフィールド(商品ごとに独自の情報を持たせる仕組み)でページを細かく組み立てられるうえに、13,000を超えるアプリで「機能そのもの」を足せます。定期購入、ポイント、LINE連携、外部倉庫との在庫連動など、やりたいことを後から積んでいける。

デザインの表現はBASEもShopifyも高い。でも機能の自由度まで含めると、Shopifyが一段上です。

ただ注意点として、ShopifyのLiquidを使った高度なカスタマイズや、ブランド独自の世界観をゼロから作り込む部分は、専門知識が必要です(これはBASEで作り込む場合も同じ)。その点は外注に頼ってしまうのが早いし、安心だと思います。

観点④:拡張性と将来性 ―伸びたときに耐えられるか

4つ目は拡張性と将来性。今ではなく、1年後・2年後に何ができるか、です。

ブランドが伸びると、必ず「海外に売りたい」「定期便をやりたい」「LINEと連携したい」「外部の倉庫システムと繋ぎたい」といったことが出てきます。

  • Shopify:標準で多言語・多通貨の越境EC、サブスク、POS、外部システム連携まで対応。追加アプリは13,000超
  • STORES:予約・定期販売・実店舗レジが標準。国内のお店運営との相性が良い
  • BASE:海外販売機能やSNS連携、AIアシスタントなど、初心者支援が手厚い

Shopifyのアプリが13,000以上あるというのは、要するに「やりたいことが出てきたとき、ほぼ解決策が存在する」ということ。一方でBASE・STORESは、手軽さと引き換えに「ここから先はできません」という壁が、成長するほど見えやすくなります。

ここで、最初の「乗り換えコスト」を思い出してください。手軽なカートで始めて伸びてからShopifyに移ると、作り直しやデータ移行で数十万〜数百万円。逆に言えば、最初からShopifyにしておけばその出費は不要だった、ということです。

この将来の伸びしろという観点では、Shopifyの拡張性が際立ちます。一方で、ある程度の規模で必要十分なら、手軽なBASEやSTORESを選ぶのも当然アリ。大事なのは「1年後・5年後にどこまで伸ばしたいか」から逆算して選ぶことです。

観点⑤:実店舗との連携 ―お店もやっている人向け

最後は、実店舗をやっている方向けの話です(なければ結論だけでOK)。

どちらもネットと実店舗の両方に対応できますが、向いている人が違います。

  • STORES:月額3,300円で、ネットショップもPOSレジもキャッシュレス決済もまるごと揃う。決済端末も1台無償で借りられて、日本のお店仕様で最初から全部入った状態。「実店舗が主役で、ネットにもとりあえず商品を置きたい人」にぴったり

Shopify:「Shopify POS」で実店舗に対応。さらにネットと店舗の在庫・顧客・売上を一体で管理するのが得意。「店舗もネットも本気で伸ばしたい」「お店の世界観をネットにも反映させたい」人向け

まとめると、とりあえずネットにも商品を置きたいならSTORES、ネットでも本気で売って世界観まで作り込みたいならShopify、ということになります。

まとめ:結局あなたはどれ?

5つの観点を振り返ります。

  • 料金:初期はBASEが安い。でも月商20万円を超えると有料プラン(Shopify等)が逆転
  • 入金:振込0円・毎週入金のShopifyが有利
  • デザイン自由度:見た目の表現はBASEもShopifyも高い。STORESはテンプレ枠内。機能の自由度・拡張まで含めるとShopifyが一段上
  • 拡張性・将来性:伸びしろ・海外・連携まで見据えるならShopify。今の規模で十分ならBASE・STORESでも問題なし
  • 実店舗:とりあえずネットに置くならSTORES、店舗もネットも本気ならShopify

タイプ別のおすすめはこうなります。

  • 月商20万円くらいまで・とにかくノーリスクで始めたい → BASE
  • 実店舗が主役で、ネットにもとりあえず商品を置きたい → STORES
  • ネットで本気で売っていきたい/こだわった世界観を作り込みたい → Shopify

もっと詳しく知りたい方へ

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