お金も時間もかけて作ったECサイトが、オープンしたのに売れない。それはサイトが悪いのではなく、「お客さんを呼べていない」だけです。
「自社ECサイトをついにオープンしたけど、全然売れない」
「そもそもアクセスすらされない」
「でも、何をすればいいのか分からない」
そんな方に向けた記事です。結論から言うと、それはサイトが悪いわけではありません。サイトにお客さんを呼べていないことに原因があります。
この記事では、ECサイトを作った後に何をすべきか、集客の手法を一通り整理して、最後に「予算が限られている事業者がまず何から始めるべきか」までお話しします。
大前提:ECサイトは、作っただけでは売れない
まず絶対に知っておいてほしい大前提があります。「ECサイトは、作っただけでは売れない」ということです。
特に実店舗を運営している方は、店舗で売れている感覚があるぶん「ECも作れば売れるだろう」と思いがちです。でも、オープンしてすぐ店舗と同じように売れ始めることは、残念ながらありません。
なぜか。ECの売上は、こういう式で決まります。
売上 = セッション数 × CVR × 客単価 × 購入頻度(LTV)

このうち、ECサイト自体が関与できるのは、CVR・客単価・購入頻度の部分だけ。つまり「サイトに来てくれた人を、どう買ってもらうか」しか、サイトにはできません。
一番大事な「セッション数」、つまりお客様を連れてくる集客は、サイトの外でやらないといけないんです。
お店でたとえると、ECサイトは「接客員」です。どんなに優秀な接客員がいても、そもそもお店にお客様が来なければ売りようがありません。店舗だってチラシを配ったり広告を出したりして集客するはずです。ECもまったく同じ。まずはこの理解が必要です。

集客の5つの手法|メリットとデメリット
ECサイトにお客様を連れてくる手法は、大きく5つあります。一つずつ、メリットとデメリットを見ていきます。

① 広告
Googleのリスティング広告や、InstagramなどのSNS広告です。最終的にECを大きくスケールさせるには王道の手法で、売れている事業者で広告をまったく出していない会社はほぼありません。
仕組みはシンプルで、「5万円の広告費をかけて20万円の売上で戻ってくればOK」という投資の世界です。

ただ、最初からうまくいくことはまずありません。当たりのクリエイティブが見つかるまでは、「広告費20万円で売上は5万円だけ」という赤字もザラ。画像やテキストを変えて、粘り強く改善し続ける必要があります。

即効性は大きな魅力ですが、近年はライバルが増えて広告費が高騰。同じバナーはすぐ見飽きられるので、毎週のように新しいクリエイティブを準備する消耗戦になります。広告を止めれば集客もピタッと止まる。予算を回せるなら強力ですが、資金が限られていると、当たりが出る前の赤字に耐えきれず挫折しがちです。
② SEO
Googleなどの検索から集客する方法です。ブログ記事や商品ページを充実させて、検索上位を狙います。

良い点は、一度上位に入れば広告費ゼロで24時間365日集め続けてくれる「資産」になること。

ですが、今のSEOはかなりイバラの道です。成果が出るまで最低でも半年〜1年。記事を書くだけでなく、他サイトに紹介してもらう泥臭い活動も必要で、膨大な時間と専門知識がいります。
さらに恐ろしいのが、Googleのアップデートによる順位下落リスク。昨日まで1位だったのに、翌朝突然圏外、ということが起こり得ます。

手堅い資産にはなりますが、中小事業者が今からここ単体で勝負するのは、時間・リスクの面で難易度が高いのが現状です。
③ アフィリエイト
ブログやサイトを持つ人に商品を紹介してもらい、売れた分だけ報酬を払う「成果報酬型」の仕組みです。

売れなければ費用が発生しないので、リスクが極めて低いのが最大のメリット。ただし、紹介する側から見て「売りやすくて報酬が高い魅力的な商品」でないと、そもそも取り上げてもらえません。無名なうちは、扱ってもらうための営業力・交渉力が必須。システムを入れただけで放置しても1ミリも動きません。
逆に、すでに知名度がある・尖った商品力がある・営業力に自信がある事業者なら、相性が良いので積極的に取り組むべき手法です。
④ インフルエンサーマーケティング
フォロワーの多い人に商品を紹介してもらう方法です。すでにファンから信頼されている人の言葉として届くため、ハマれば爆発的に売れます。

実は私自身、ある著名なインフルエンサーの方に紹介していただいた際、たった1週間で200万円売れたことがあります。それくらい、信頼されている人の紹介は強い。
一方で、インフルエンサーも自身のブランディングがあり、案件選定には慎重です。フォロワー数だけで選ぶと「自社商品とまったくハマらず、数十万円払ったのに効果ゼロ」が普通に起きます。フォロワーの多さではなく、誰を選ぶか・商品との相性を見極める「確かな目」が必要な手法です。
⑤ メディア・番組への出演
ビジネス系のYouTube番組やリアリティショー、大手ビジネスメディアへの出演です。

当たれば爆発的なアクセス・売上・知名度が一気に得られ、「あの番組に出た会社」という強い信頼も手に入ります。
ただ、リスクも特大です。際立った商品力に加え、高いプレゼン能力や立ち回りが必須。失敗すれば悪評が広まり、ブランドイメージが一瞬で失墜する「逆回転のリスク」すらあります。そもそも出演できるかは相手次第で、自分でコントロールできません。当たれば大きいがリスクも高く、再現性はない「諸刃の剣」です。
5つの共通点
ここまで見ると、共通点が見えてきます。広告はお金がかかる。アフィリエイト・インフルエンサー・番組出演は、相手やチャンスが必要で自分でコントロールできない。SEOは時間と専門知識がいる。
そして、これらの多くは「単発」です。広告を止めれば終わり、紹介が終われば終わり、番組が終われば終わり。その都度、お金や労力を投じ続けないといけません。
結論:すべての「土台」になるのが、自社SNS
そこで私が最もおすすめしたいのが、自社のSNS、つまり「自社メディア」を育てることです。
SNSを「集客装置の一つ」だと思っている方が多いのですが、私の考えは違います。SNSは、他のすべての手法の「土台」になります。

どういうことか。まず、自社で発信力が育つと、広告に頼らなくてよくなる。広告費の削減に直結します。次に、発信を続けて影響力がつくと信用が積み上がり、アフィリエイトで紹介されやすくなり、インフルエンサーも取り上げやすくなる。さらに影響力が育てば、メディアや番組の側から「出てください」と声がかかることもある。狙ってはできなかった番組出演が、向こうから来るようになるんです。
つまり、自社メディアを育てることは、それ自体が集客になるだけでなく、広告・アフィリエイト・インフルエンサー・番組出演という他のすべての手法を、まとめて底上げしてくれる。これがSNSが「土台」だという意味です。
しかもSNSは、自分のコントロールで、今日から、お金をかけずに始められます。続ければ、消えない資産になります。
だからこそ、早く・内製で
ただ、SNSには一つだけ弱点があります。簡単には育たない、時間がかかる、ということです。
でもこれは裏を返せば「早く始めた人が、先に資産を持てる」ということ。だからこそ、思い立った今、始めるべきなんです。
そして、続けるのが大変だからこそ、できるだけ負担なく続けられる形——外注に頼り切るのではなく、自社で回せる「内製化」で進めることをおすすめします。動画制作を外注し続けるとコストもかかり、ノウハウも社外にたまってしまう。自社にノウハウを残しながら続けるのが、長期的には一番強いんです。
まとめ:結局、何から始める?
ECサイトは、作っただけでは売れません。一番大事なのは集客です。
集客には広告・SEO・アフィリエイト・インフルエンサー・番組出演の5つがありますが、どれもお金がかかる・コントロールできない・単発、といった弱点があります。
その中で、すべての手法を底上げし、長期的に効いてくる「土台」になるのが、自社SNSを育てること。広告費の削減になり、信用が積み上がり、商品も紹介されやすくなり、メディアからも声がかかる可能性が上がります。お金をかけず、今日から、自分のコントロールで始められる。
簡単には育たないからこそ、早く・そして内製で始めるのがおすすめ、というのが結論です。
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